審査基準
コンテストでは、以下のような点を評価されます。
(1)筋肉の発達度
いかに筋肉が多く、脂肪が少ないか。また、筋肉の輪郭がはっきりと見えること。
筋肉の大きさ(バルク)と、筋肉の輪郭(デフィニッション)は、最も目につく部分であり、この点の評価は順位を大きく左右します。
(2)全体の均整度
各筋肉の大きさのバランスがとれているか。
肩や胸は十分な大きさがあるのに、それに対して腕が細いとか、上半身に比べて脚が細いなどの偏(かたよ)った発達の仕方は審査員の評価を下げてしまいます。身体の各パーツがいかにバランスよく均等に発達しているかを見られます。
(3)色・肌の美しさ
(4)ポージングの美しさ
(5)マナー
フリーポーズでは、なめらかな動き、筋肉の見せ方、観客へどれだけアピール出来るかが評価の対象となります。
採点方法
競技開始から、最終的な順位の確定まで、審査は大きく3つの段階に分かれます。
(1)ピックアップ
(2)予選での順位付け
(3)決勝での順位付け
の3つです。
ですが出場者が12人以下の場合はピックアップは行われず、予選からのスタートとなります。このうち、「予選での順位付け」と「決勝での順位付け」を合計して、最終的に表彰式で発表される順位が決定します。
ここでは設定として、出場選手が15人で、6位までが入賞という大会を想定して進めていきます。選手の名前はABC、苗字が入っている欄は審査員の名前です。審査員は7人です。
▼(1)ピックアップ
基本的にそのカテゴリの出場者が13人以上の場合、審査はピックアップから開始されます。ピックアップとは、次の段階である「予選」に進める12人を選ぶ審査です。
この場合、15人を12人に絞ることになります。
審査員が、それぞれの手元にある審査用紙に自分が選んだ12人を記入していきます。*印がついているものが、その審査員が選んだ選手です。
それらを一覧表にすると、以下のようになります。
「計」の欄の数字が、その選手が獲得した、審査員からの票です。この数字が多い者、上位12人が予選進出者となります。No.とはゼッケンナンバーのことです。
たまに同点が出て、上位12人ではなく、13人や14人になってしまった場合、同点同士の選手だけが呼び出されて、再び審査が行われ、あくまでも予選進出者は12人に絞られます。
上の表ではどの選手が何点だったか分かりにくいので、点数順に並び変えたのが以下の表です。
「計」が赤い字の選手が上位12人であり、予選に進める選手です。下の3人のB、D、K選手はこの段階で落ちてしまい、これ以降は彼らの出番はありません。
▼(2)予選
ここから先は、ピックアップによって予選進出が決まった12人だけの審査となります。審査は基本ポーズで行われます。
順位付けは予選と決勝とで、それぞれ行われ、両方の結果を合計して最終的な順位が決定されます。
それぞれの審査員が12人に対して1位から12位までの順位付けを行い、最後に審査員全員の結果が集計されます。
審査員の1人である、山田審査員は下のように順位をつけたとします。
これに他の6人の審査結果も加えて一覧表にしたものが以下の表です。「位」の字は省(はぶ)きました。
「得点」とは、選手の側から見て付けられた順位を合計したものです。
順位という数字の合計ですから、この点数が少ないほど、選手としてはそれぞれの審査員から上の順位をつけられたということになります。
ただし、全部を合計するのではなく、最高と最低の数字が一つずつ、それぞれ計算から除外されます。極端な数字が混じっているとここで排除されます。
表の中の青い太字の数字が計算対象外に当たります。
この中で一番点数が少ないのは、F選手の8点です。
逆に一番点数が多いのは、ほとんどの審査員が11位や12位をつけたC選手で、58
点です。
ピックアップの時は、合計の数字は「審査員からの獲得票」でしたので、多いほど上位と評価されたということになりしたが、順位付けでは、数字の意味が反対になり、低いほど上位の評価を得たということになります。
得点の少ない順に並べ替えたのが下の表です。これで予選での順位が決定しました。
この大会は6位までが入賞という設定ですので、この中から決勝に進めるのは上位の6人です。黄色の枠の選手がそれに当たります。
ここで7位以下の選手はここで終了となります。
ここから先は、上位6人による決勝となります。
▼(3)決勝
決勝審査では、一分間のフリーポーズによる審査が行われます。
予選での順位付けと同様に、それぞれの審査員が、全員のフリーポーズが終わった時点で選手に順位をつけていきます。
決勝に進出したのは6人ですから、1位から6位の順位をそれぞれの審査員がつけていきます。
その結果が以下のようになったとします。
決勝の得点の計算方法も先ほどの予選と同じように最高の数字と最低の数字が一つずつ合計から除外されます。点数は中間の五つの数字の合計となります。
F 選手でしたら、1が一つと4が一つ、合計から排除されることになります。
予選の得点と決勝の得点を合計します。
合計得点の少ない順に1位から順位がつけられ、これが表彰式で発表される最終的な順位となります。