▼ボディビルの団体

現在国内にあるボディビル団体は、

(1)社団法人 日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF) = Japan BodyBuilding Federation
加盟ジム、登録選手共、日本最大のボディビル競技の運営組織。

(2)NPO法人 日本ボディビルディング連盟(NBBF) = Nippon BodyBuilding Federation

(3)日本フィジーク委員会(JPC) = Japan Physique Committee

(4)NPO法人USBBジャパン

(5)FWJ(旧・一般社団法人NPCJ)

(6)学生ボディビル連盟(正式には「学生ボディビル連盟・学生パワーリフティング連盟」)。

(7)ベストボディジャパン

(8)サマースタイルアワード 金子賢さんが設立した団体。

などです。

それぞれの団体が独自に大会を行っており、他の団体の大会へ出場することは禁止されています。ただJPCだけは特別制限はないものの、現状では同一の選手がいくつもの団体の大会に出場することは事実上不可能となっています。

ボディビル界におけるJBBFの存在はかなり大きく、一般的に「ミスター日本優勝」と言えばJBBFの大会で優勝した選手のことを指す場合が大半です。


▼マスターズ

40歳以上の部門のことで、ボディビルの大会には年齢別の部門があります。地方大会など、参加者が少ない場合、40歳以上の選手を全てマスターズに含める場合もありますが、全日本などの大会になると、マスターズ40(40 - 49歳)、マスターズ50(50 - 59歳)、同様にマスターズ60、65、70、75、80といった部門に分かれて大会が開催されます。


▼ジュニア

JBBFの、その年度の日本ジュニアの出場資格には「今年度12月31日現在16才以上23才以下の者。 年令証明書のコピーを貼付すること。」となっています。

年齢別の部門があるのは、マスターズ(40歳以上)と、ジュニア(23歳以下)だけで、その間の24歳から39歳までは年齢別の部門はありません。その年代の選手は、年齢無差別で行われる大会のみが出場対象となります。

年齢無差別で行われる大会は、例えば広島であれば「広島県一般」あるいは「広島県総合」などと表記されているか、あるいは単に「広島県男子」と表記されます。


▼新人

初めてボディビルの大会に出場する選手です。新人戦の部門は「○○県新人」や「ルーキーズ」と表記されます。JPCの場合は「ノービス」の部門が新人戦に当たります。

JPCの場合は、新人戦の出場資格は「初めて大会に出場する選手」に加えて「過去に新人として出場した経験があっても、その時の結果が4位以下であった選手」も含まれます。


▼キレがある

筋肉の境目のラインがくっきりと出ている状態をいいます。「キレてる」は、会場内でよく聞かれる応援の掛け声です。


▼ブロック大会

西日本大会や関西大会など、複数の県を対象にした大会です。県大会の一段上に位置します。


▼ピックアップ

基本的にそのカテゴリに出場者が13人以上いた場合、上位12人を選ぶ審査です。審査員からの票を多く獲得した順に上から12人が選ばれます。
ピックアップで選ばれた選手が次の段階である「予選」へと進むことが出来ます。

出場者が12人以下の場合はピックアップは行われず、予選からのスタートとなります。


▼予選・プレジャッジ

予選とプレジャッジは同じ意味となります。

出場者が多い場合はピックアップを通過した12人に1位から12位の順位をつける審査です。少人数の場合も同様に全員に順位がつけられます。
基本的に予選でつけられた順位と決勝でつけられた順位を総合して最終的な順位が決定されますが、予選で決勝進出者を選び、最終的な順位は決勝の審査のみで決定する大会もあります。


▼決勝・ファイナル

決勝とファイナルは同じ意味となります。

決勝では予選を通過出来た選手だけが登場します。決勝に残った選手は全員入賞が確定している選手たちです。
基本ポーズの審査も行われますが、審査の中心はフリーポーズとなります。

決勝では決勝で順位がつけられ、予選でつけられた順位と総合して最終的な順位が決められます。


▼フリーポーズ

決勝戦において行われる審査で、選手が各自用意した音楽に合わせて自由にポーズを取っていきます。

他の審査場面と違い、フリーポーズの時には舞台にその選手一人だけが登場し、会場中の注目が集まります。大会の華とも言える部分です。
一人に与えられている時間はJBBFでは1分です。


▼クラス別

体重別あるいは身長別にカテゴリが分けられた大会です。


▼オーバーオール

オーバーオールとは、階級分けなし無差別を意味します。
オーバーオール審査は、階級別の優勝者が全て発表された後に最後に行われる審査で、各階級の優勝者の中から更に優勝者を決めることをいいます。オーバーオールに選ばれた選手が、その部門の全階級を通じた総合優勝者となります。


▼比較審査

比較審査は、ピックアップや予選で行われる審査方法の一つです。

同レベルにあると思われる選手同士を一組として、審査員が番号を指定して呼び出します。だいたい一度に2人から5人ずつが呼ばれます。
ピックアップにおける比較審査の場合、呼ばれるのはピックアップを通過して予選に進めるかどうか微妙な位置にいる選手です。明らかに上位に入賞するであろうと思われる選手やその逆の選手はピックアップでは呼ばれません。

予選での比較審査の場合は順位をつけるために同レベルにあると思われる選手同士が呼ばれます。


▼ファースト・コール

予選での比較審査の時、一番始めに呼び出されるのは、優勝候補の選手たちです。
ファースト・コールで呼ばれた選手たちが優勝候補の筆頭ということになります。


▼進行の時間割

地方の大会では、ほとんどの場合、午前中に予選が行われ、昼休憩をはさんで午後から決勝が行われます。
予選の前には特別なセレモニーはなく、すぐに予選が開始されます。開会式は午後からの決勝の前に行われます。
一日に複数の大会を同じ会場で行う場合、午前中に全ての大会の予選を行い、午後から全ての大会の決勝を行います。

また、もう一つの進行パターンとして、午前中に一つの大会の予選から順位発表までを行って、その大会を完全に終了させ、午後からはまた別の大会を開催するという場合もあります。


▼ポーズダウン

表彰式において最後に行われるパフォーマンスで、司会者の「ポーズダウン」の掛け声の元、各選手がそれぞれバラバラに、次々とポーズをとっていきます。
そのポーズは特に定められたものがあるわけでも順番が決まっているわけでもなく、各選手が自由に行うものです。

ポーズダウンの最中、下位の選手から順位の発表があり、名前を呼ばれた選手はポーズダウンを終了して表彰台の所定の位置に移動していきます。最後まで残った2人が1位・2位の選手で、この場合先に1位を発表する場合もあれば、順番通り2位から発表する場合もあります。

表彰式の並び順は以下のようになります。
1位を中心に2位・3位が左右に立ち、4位以下も左右に交互に立っていきます。

6 4 2位 1位 3位 5


▼大会の種類

大会は、各都道府県を対象にしたものから全日本まで、いくつかの段階に分かれています。上の大会になるほど、これまでの実績が出場資格として必要になってきます。JBBFの大会では次のような形で大会が構成されています。年齢別の部門があるのは23歳以下と、40歳以上だけであり、その間の24歳から39歳までには年齢別の部門はなく、年齢無差別の大会のみが出場対象となります。

年齢も体重も無差別で行われる部門は、「総合」あるいは「一般の部」と表記されます。

●日本ボディビル選手権
日本選手権は、毎年、ほぼ全ての地方大会やブロック大会が終了した後、最後に行われます。開催は10月です。
出場するには過去の実績が必要であり、例えばその年の日本クラス別で6位以内やジャパンオープンで6位以内、あるいはブロック大会で6位以内であることなど、いくつか条件があり、そのどれかに該当していないと出場出来ません。出場するだけでも大変な大会です。
日本ボディビル界の頂点に位置する大会です。

●ジャパンオープン
もう一つの全国大会であり、日本ボディビル選手権ほどの厳しい出場資格は定められていません。
JBBFの規定では「日本ボディビル選手権及びジャパンオープン選手権の優勝経験の無い者」を出場対象としています。
ですが、ジャパンを冠するだけあって、それ相応のレベルの選手のみが出場してきます。

●カテゴリに分けられた全国大会
日本クラス別(体重別)
日本マスターズ(年齢別)
日本クラシック(身長別)
日本ジュニア(23歳以下)

全日本を対象にした体重別・年齢別・身長別の部門です。
その年の日本クラス別で、各階級6位以内は、日本ボディビル選手権の出場資格を得ることが出来ます。
また、その年の日本マスターズ、日本ジュニアでは3位以内が日本ボディビル選手権の出場資格を得ることが出来ます。

●ブロック大会
複数の県を対象にした大会です。
西日本大会や関西大会などがこれに当たります。
「関西」や「九州」 など、単に範囲の名前だけがつけられている大会は、年齢も体重も無差別で行われる大会です。
体重別や年齢別の場合、関西クラス別や関西マスターズといった名称になります。

●都道府県大会
各都道府県ごとに行われる大会ですが、出場者数は都会と地方では激しく違います。島根鳥取と東京では人数に相当な開きがあります。
都会の大会では、その都道府県単独でもマスターズやクラス別(体重別)などにも多くの選手が集まりますが、地方ではクラス別の大会が存在しない場合がほとんどです。

初めて出場する人は、ほとんどの場合、各都道府県大会の新人部門からスタートします。県によっては「新人」ではなく「ルーキーズ」と表記している県もあります。JPCでは「ノービス」の部門が新人戦の部門になります。
新人は新人部門しか出られないというわけではなく、県大会にも同時に出場する選手もいます。

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