▼電車(1)

2005年7月3日、山陰大会を見に鳥取へ出発する。鳥取の会場までは新幹線と特急を乗り継いで4時間以上かかる。朝、家を出れば何とか12時過ぎには着く予定で、10時からの予選には間に合わないが、13時からの決勝だけを見るつもりで家を出た。

この日は朝からすごいどしゃ降りで、車で徳山駅まで行ったが、途中ですごい水たまりが何か所も出来ていた。新幹線は時刻表通りに来た。座席に座ってやれやれと思っていたら、「激しい雨のため運行を見合わせております。」というアナウンスが車内に流れてきた。

何でもJRでは、雨量が規定の数字を超えると、運行出来ないらしい。九州からここまで走ってきたのに、よりによって自分が乗った駅で新幹線は止まってしまった。

ちょっと待てば出発するだろうと思っていたが、30分経ってもまだ出発しない。自分は遠くに行く場合、JRおでかけネットで経路と乗り継ぎを調べて、その通りに行動する。予定がずれると非常に困る。

1時間近く待ったが、それでも出発しない。これ以降、遅れた時間にこちらを出ても、着いたころには大会そのものが終了している。

しばらく考えたが、新幹線を降りて金を払い戻してもらって、断念することにした。結局新幹線の中に一時間座って帰ってきただけであった。

▼電車(2)

2008年8月31日、兵庫に、西日本と兵庫県大会を見に行った時、会場まで電車に乗った。だが自分が乗った車両は、なぜか自分以外の乗客が全員女であった。何か妙な感じと思いながら、他県の電車が珍しかったので車内を見渡していると

「女性専用車両」

と書いてあった。

びっくりしてすぐに隣の車両に逃げた。こういうものがあることはこの時、初めて知った。だいたい山口では、女性専用車両など、見たことも聞いたこともない。

「そんなことも知らねーのか、この田舎モンが。」と、都会に住んでいる人たちは、今こう思ったに違いない。

翌年に兵庫に行った時も、あれから1年経っていたのでそのことはすっかり忘れており、同じことをまたやった。同じように気づいて同じように逃げた。
もう覚えたので、次からはこういうことはない。

▼電車(3)

2009年7月20日、佐賀県へミスター九州と佐賀県大会を見に行き、その日の夜は福岡に泊まった。次の日の朝6時半ごろホテルを出て、山口に帰ろうと博多駅に行ったが、すごい人でごった返しており、「ただ今、運行を見合わせております。」といったアナウンスが流れていた。また新幹線が止まってる。

昨日の晩、山口県地方に激しい雨が降り、そのおかげで止まっているらしい。この日は夜から出勤になっていたので、どうしても夜までには帰らなければならなかった。しようがないから、駅で待つことにした。3時間くらい待ったら、やっと一本動くというアナウンスが流れてきた。

ほっと一安心して、新幹線に乗った。これで帰れるかと思ったら、動いたのは1駅だけだった。隣の小倉でまた止まった。しかも乗ってきた新幹線は博多へ帰るから降りて下さいとのアナウンス。小倉駅に降り立ち、そこでまた待つことになった。

だいたい駅のホームで待たされると、することがない。さっき博多で3時間待っている間に持ってきたパソコンをいじって時間をつぶしており、そのパソコンもバッテリーがなくなってしまった。小倉で2時間待った。ただひたすら立っていた。

やっと動くというアナウンスが流れてきた。今度こそ帰れるかと思ったら、3つ動いただけで、新山口駅でまた止まった。この新山口駅は、自分が降りる予定である徳山(とくやま)駅の一つ手前の駅である。何とかあと1駅というところまでたどりついた。

ここでまた2時間待ったところで放送があった。

「ただ今、線路の安全を歩いて確認しているので時間がかかります。」との放送があり、「確認が終われば16時ごろ発車します。」とも言っていた。16時と言えば、これから更に2時間になる。

アナウンスを聞いていると、ここから徳山駅方面にはJRが用意したバスが出ると言ってた。ここで新幹線を降りて、そのバスに乗ることにした。新幹線の切符は改札口では回収されず、バスに乗る時に見せて下さいとのことで、この切符を見せればバス代はタダになるらしい。

大雨で大渋滞の中、バスに2時間乗って、ようやく徳山駅前に到着。途中、土砂くずれがあって迂回したりしたので、普通に走るよりも随分時間がかかっていた。

だいたい博多から徳山まで、普通なら新幹線で1時間くらいだが、この日は博多から帰ってくるのに12時間かかった。家に帰ってすぐに風呂に入って、そのまま会社へ出勤した。出勤した時点ですでに疲れ果てていた。

▼電車(4)

2003年9月21日、この日は佐賀県にミスター九州と佐賀県大会を見に行った。この日は泊まる予定ではなく、その日のうちに帰ろうと思っていたので、大会が終了した後、会場から一番近い駅へ行った。ここから在来線に乗って、まずは博多駅まで行く。

在来線はガラガラで座れたので、列車が走り出すと、いつの間にかすぐに寝てしまった。

「お客さん、終点ですよ。」

という声で目が覚めた。車掌さんらしき人に起こしてもらった。寝ていたのであっという間に着いたように感じた。

電車を降りて博多駅のホームに降り立った。

と思ったが、降り立ったその駅は、対岸に小規模なホームがあって、周(まわ)りには畑と田んぼがいっぱいある、いかにも都心からはずれまくったような駅だった。

ここが博多駅でないことはすぐに分かった。

「ここ、どこ?」

とつい声が出た。

駅名を見てホームにあった路線図で調べてみたら、どうやら間違えて反対方向の電車に乗ってしまい、すぐに寝てしまったので、そのまま終点まで来てしまったということが分かった。

ちょっとだけ焦ったが、まだ帰りの電車のある時間だったので改めて電車に乗り、予定よりは大幅に遅れたものの、その日のうちに何とか家に帰ることが出来た。

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